GISをマーケティングで活用する場合、扱う図形は大きく分けて3種類あります。 ポイント(点)、ライン(線)、ポリゴン(多角形)の3つで、GIS用語では「フィーチャー」と呼ばれます。
また、個々の図形には「属性」と呼ばれる値が関連付けられています。 例えば、人口総数や世帯数などの統計情報は、地域メッシュポリゴンや町丁字ポリゴンのフィーチャー属性という具合です。 GIS利用上は基礎知識となりますが、はじめての方のために解説しておきます。
1.ポイント(点)
ポイントは緯度と経度によって、地球上の1地点を表わします。 例えば、店舗や施設、顧客の家です。
店舗や家などは空間的に大きさがありますから、代表地点を扱うことになります。 この代表地点となる経緯度は、住所を解析して経緯度に変換するツール「ジオコーダー」を使用します。 その他、マーケティング上、ポイントという呼び方は会員制のポイントカードのポイントと紛らわしいため、シンボルと呼ぶことも多いようです。
2.ライン(線)
ラインはポイントの羅列で表されます。 折れ線のイメージで、例えば、道路や鉄道、河川などがあります。
商圏の分断要素や背景地図の1つとして表示だけに使われることも多いのですが、道案内をしてくれる「カーナビ」のルート検索は、ラインではなく、特殊なデータ構造の「ネットワークデータ」が使われています。 データ量が膨大なうえに相応の計算時間も必要ですので、ルート計算や時間圏計算は、インターネットサービスを利用するとよいでしょう。
3.ポリゴン(多角形)
ポリゴンはライン同様、ポイントの羅列で表されますが、始点と終点が一致しているという特徴があります。 例えば、市区町村や町丁字、地域メッシュ統計データです。 調査地点から作成した円商圏もポリゴンとして維持されます。
エリアマーケティングの基礎情報とも言えるポリゴンデータですが、データ量が膨大なうえ、地図自体(図形自体)も複雑でユーザー整備は難しいため、ダウンロードや購入して揃えましょう。
それでは、マップで確認しておきます。
マップの中心にある星形の赤いシンボルがポイントデータです。 このポイントは「住所」という属性を持っていますので、”登戸2074-1”という値をシンボル右上にラベル表示しています。
つづいて、白黒の点線が鉄道、長い白い線は駅で、ラインデータです。 駅の属性「駅名」をラインに沿ってラベル表示しています。
最後に、様々な青の四角い領域は地域メッシュ統計で、ポリゴンデータです。 ポリゴンの中心に属性「メッシュコード」を表示しています。
【出典・著作権】
- 平成22年国勢調査人口総数(総務省「政府統計の総合窓口 e-Stat」)
- 2013年度駅別乗降客数(国土交通省「国土数値情報」)
- 鉄道、行政区域(国土交通省「国土数値情報」)
- QGIS 2.12.1-Lyon

1971年、栃木生まれの東京育ち。
GISにすっかり魅了され気がつけば20年、マーケティングGIS「Tactician」の営業にはじまり、「MapInfo」や「ArcGIS」などのシステム開発を手掛けてきました。 GISを活用したエリアマーケティングを技術的な側面からサポートしています。