円商圏ポリゴン・アイキャッチ大

円商圏ポリゴンで集計する時の注意点をまとめておきます。 GISでは、半径1kmなどの円商圏はポリゴンで表現されますので、商圏の作成はバッファ作成機能を使ってポリゴンを作成していると思います。

しかしながら、このポリゴンを使って施設や店舗、町丁字や地域メッシュなどを集計した場合、完全な円ではないために若干支障がでてきますよね。 そのあたりを確認しつつ、ポリゴンの頂点数についても見ておきましょう。

例えば、QGISで商圏を作成するには、空間演算ツールのバッファ機能を使います。 このとき、[バッファ] ダイアログ上で、[円を近似させる線分の数] を指定しなければなりません。 どのくらいが妥当なのでしょうか。

円商圏ポリゴン・バッファ作成画面

上の図のようにデフォルトの ”5” とした場合、QGISでは頂点数が 20 になるようです。 商圏の一部を拡大してみます。

円商圏ポリゴン拡大図

赤い×印が頂点になります。 背景の黒い線は、円を近似させる線分の数を 99 にした場合の商圏です。 ご覧のように赤い線と黒い線に「隙間」があります。

したがって、この赤い線の商圏で、競合店や施設などのポイントを集計する場合、もし、この隙間に存在すると結果のリストから漏れてしまいますので注意が必要です。

つまり、この頂点数は多いほうがより円に近いので、GISで作成可能な最大値で作成したいところなのですが、そうも行きません。 頂点数を増やすほど商圏データの集計時間など、処理時間がよりかかるようになってしまいます。 ですから、特に大量のデータを集計する場合は、なるべく少ない頂点数で作成したいところです。

 

最後に、半径2km商圏で、集計結果がどの程度変わるのか掲載しておきます。 (正N角形は頂点数、集計地点は川崎市多摩区登戸付近です。)

正N角形 内接周長 外接周長 値<π π<値 2km圏人口
20 6.257379 6.335378 3.128689 3.167689 127402
40 6.276728 6.296137 3.138364 3.148068 129012
72 6.281192 6.287176 3.140596 3.143588 129373

 

【出典・著作権】

  • 平成22年国勢調査人口総数(総務省「政府統計の総合窓口 e-Stat」)
  • 鉄道、行政区域(国土交通省「国土数値情報」)
  • QGIS 2.12.1-Lyon