無料の商圏分析アプリ・商圏スコープとは
商圏スコープは、日本全国どこでも商圏人口・世帯数がすぐわかる、商圏調査、分析のための無料の iPhone アプリです。
絶対行かないよ、というやや遠いお店の新聞折込チラシをご覧になったことはありませんか?
きっと、ご自宅はそのお店の商圏に含まれています。
普段、周辺の人口がどれくらいかなどとあまり考えないと思いますが、このアプリで試しにご自宅から商圏を作ってみてください。
是非、周辺の人口分布の様子もご覧になってください。
ご自宅は人口の多い地域でしょうか、それとも少ない地域でしょうか。
飲食店や小売店がなぜその場所で商売をしているのか想像してみてください。
人口や人口増減率など、テーマを持ったマップは眺めているだけでも色々と気づくことがあり、とても面白いと思います。
それでは、まずは商圏を設定しましょう。
商圏スコープでは下図の[設定]タブ画面からできます。
商圏とは
商圏とは、お客様の来店範囲です。
例えば来店範囲を歩いて5分、自転車で5分、車で5分と想定した場合、それぞれ商圏を円として半径500m、1km、2kmのように定義しておきます。
そうは言っても初めて出店しようという場合、商圏範囲を決めるのはかなり難しいと思います。
ポイントカードによる会員情報があればお客様がどこから来たかはわかりますが、初めて出店する場合はどうしたらよいでしょうか。
次のようなことを考えてみると良いと思います。
- あなたのお店まで歩いて5分以内なら来てもらえそうですか? 10分ではどうでしょう?
- 自転車で5分ではどうですか? 駐輪場はありますか?
- 車で来店できますか? 駅前でしょうか?
不動産業や国土交通省の資料なども参考にしましょう。不動産物件の徒歩◯分は、分速80mでの表記です。 これに習うと歩いて5分なら480mになります。 ただしこれは道のりでの距離です。
国土交通省都市局の「都市における人の動き」(平成27年)によると、
三大都市圏・地方都市圏ともに、居住地3km圏内の大規模小売店舗面積や医療施設数が大きいほど、買物目的・通院目的の自動車分担率は低下し、鉄道や二輪車・徒歩の分担率が高くなっています。
最寄り駅1.5km圏内の居住者は、三大都市圏・地方都市圏にかかわらず、徒歩・自転車圏内で生活できたり、鉄道・バスが便利な地域を居住地として考慮しています。
とあります。
上記の平成22年度全国都市交通特性調査の調査結果のリンクはこちらから。
また、次ような報告もあります。
出典:「都市交通における自転車利用のあり方に関する研究」
国土交通省 国土交通政策研究所(2005年11月)
徒 歩:4.8km/h自転車:入出庫4分 + 15km/h自動車:入出庫7分 + 17.5km/hバ ス:10分 + 14km/h徒歩6分 (発着地計)、待ち時間4分鉄 道:17分 + 32km/h徒歩12分 (発着地計)、駅内移動3分(1駅)、待ち時間2分(1駅)
商圏人口とは
商圏人口とは、設定した商圏内の人数です。
商圏を分析するうえで最も基本的なデータになります。 客層がはっきりしている場合は年齢別などのデータが欲しいところでが、残念ながら現時点で商圏スコープでは扱えません。 将来にご期待ください。
さて、人数を知る方法ですが政府が公表している国勢調査を使うのが一般的です。
国勢調査は5年に一度、全国で行われるアンケート調査で最新の調査結果は平成22年版になります。 昨年、平成27年度のデータは作成中で利用できるようになるにはもう少し時間がかかるでしょう。
この国勢調査データは集計された情報で、個人が特定できるような情報ではありません。 データ単位は、1辺500mの地域メッシュ(約500m四方、格子状の区画)になります。 他に町丁字単位(丁目など住所表示単位)のデータも存在するのですが、面積がほぼ一定のメッシュに比べて面積がまちまちになるため、分布図の表示やデータを比較する場合に少し扱いにくくなります。
このような面積を持つ情報ですから、商圏に重なる地域データをどのように集計するかが問題になります。 単純に円の内側・外側とはいきません。 そこで面積按分(めんせきあんぶん)集計という方法をとります。
また、国勢調査メッシュデータには他に留意すべき点があります。
ある地域メッシュに、あまりにも人口ないし世帯数が少なく、個人を特定できてしまうほどの少数の場合、近接するメッシュにその数が合算されている場合があります。 これを秘匿措置(ひとくそち)と言いますので覚えておきましょう。
面積按分集計とは
商圏に重なる各地域の割合(面積比率)を掛けて合計することを面積按分集計といいます。
例えば、図の黒枠の地域メッシュの人口総数は2,422人です。 この地域メッシュに商圏の赤い境界線が84%の割合で重なっている場合、2,034.8人になります。
この小数部を含む値の合計が、商圏スコープの集計結果として表示されています。
集計計算は統計項目ごとに算出しますので、男性人口と女性人口を足した結果が、必ずしも人口総数と一致しないことにご留意ください。 先にお伝えした秘匿措置の誤差も含まれます。
このようなデータの特性を踏まえて、有効に活用していきましょう。
次回「無料アプリで商圏分析をはじめよう(2)」に続きます。
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1971年、栃木生まれの東京育ち。
GISにすっかり魅了され気がつけば20年、マーケティングGIS「Tactician」の営業にはじまり、「MapInfo」や「ArcGIS」などのシステム開発を手掛けてきました。 GISを活用したエリアマーケティングを技術的な側面からサポートしています。